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about Classes

授業風景(上段左から:視覚情報デザインの基礎(1年次),フレッシャーズゼミ I(1年次),下段左から:CG制作の基礎(2年次),フレッシャーズゼミ II(1年次),フレッシャーズゼミ II(1年次),フレッシャーズゼミ II(1年次))

授業について私が考えていること

大学教育のあり方が,様々なところで議論されています.

私は,大学教員としての職務は「研究」・「教育」・「大学運営上の業務」が3本柱であると考えています.この3つはそれぞれが独立しているわけではなく,教育は研究へとリンクしていますし,教育・研究での成果が世の中に出て行くということは大学運営上も無関係ではありません.

授業(教育)に関しては,”東京工科大学は「実学」を学べる大学である”ことを大学全体としてのコンセプトとしています.実学とは「社会の第一線で通じる自分だけのチカラを身をつけること」です.
そこで私は,自分の授業では”チカラを発揮するために必要となる「理論」”と”理論にもとづいたたしかな「チカラ」”を身につけられるように授業を構成しています.「実学」であるからといって,人類がこれまでに培ってきた大切な「理論」を疎かにはしません.なぜなら,理論こそがまだ目には見えていない未来を導いてくれる大切な「指針」であり,「支え」となるからです.

具体的には,授業ではまずあらゆるもののベースとなる理論を学習し,それをすぐに活用して実践してみる演習を織り交ぜます.そして,実践した結果を自分の目で確認することによって,授業内で学んだ「理論」と実践した「チカラ」が定着するように心がけています.

以下に現在私が担当している授業を紹介します.詳しくは,東京工科大学 Web サイトで公開されているシラバスをご覧いただけるようにリンクを張ってありますので,そちらをご覧ください.


視覚情報デザイン入門(1年次前期)

視覚情報デザイン入門

本授業のテーマは「視覚情報デザイン」です.前半は視覚デザイン(グラフィックデザイン)に必要な「文字とタイポグラフィ」,「レイアウト」,および「色彩・配色」の基礎的な知識と技術の習得を目的とし,後半は「Webサイトの制作」のための知識と技術の習得を目的とします.

前半の視覚デザインパートでは,グラフィックデザインに必要な上記の基礎理論を学習したあとに,「タイポグラフィ」・「レイアウト」・「配色」それぞれに関連した計4つの課題作品の制作に取り組み,後半のWebデザインパートでは,ひとつのWebサイトを作り上げるために必要な過程について総合的かつ網羅的に解説し,ひとつひとつ手順を踏みながらHTML5とCSSによる制作体験を積んでいきます.

最終的には「自分のポートフォリオサイト」をHTML5とCSSのコーディングによって制作するという最終課題作品に挑戦します.

本授業を通して,グラフィックデザイン,およびWebデザインの専門家とコミュニケーションが可能であり,かつ自らがデザイン提案・制作ができるようになることを目標にします.


フレッシャーズゼミI・II(1年次前後期)

フレッシャーズゼミI・II

前期の「フレッシャーズゼミI」は,学生各自が規律のある学生生活をし,主体的に学び,授業のみに関わらず様々なことに積極的に取り組む姿勢を身につけるように大学生活の計画の策定を支援するものです.

大学の4年間は自らの進むべき道をより明確にする時期であり,近い将来社会において進もうとする進路を見据えた勉学が求められます.各自の進路を踏まえ,大学4年間で何を,いつ,どのように,どのくらいの時間,どのレベルまで学ぶべきかを明らかにして,各自の大学4年間の学業,サークル活動,資格取得やボランティア活動・インターンシップなどの積極的な活動の具体的な目標を立てます.

後期の「フレッシャーズゼミII」ではグループワークを取り入れて,フィールドワークを通してメディアを活用すること,あるいは自分自身とメディアとの関わりを表現することを行います.

1年生の1年間を通しての様々な活動によって,先輩・同級生・教員との交流も深め,有意義な大学生活を送るための土台をしっかりと固めていく授業です.


メディア基礎演習Ⅱ(2年次前期)

本授業はメディア学部の代表的な分野に関連したテーマを通じて,共通的な見識とスキルの獲得を行うと共に,学問分野への広い理解を養うことを目的としています.

私が担当しているのは,「プログラミングの基礎Ⅱ」と「ポートフォリオ」です.「プログラミングの基礎Ⅱ」では,プログラミング言語「Processing」を用いてPC上で実際にプログラムを書き,CG画像作成,インタラクティブなコンテンツ実装,外部ライブラリを利用した高度なコンテンツ実装を題材に演習を行います.さらに,最終 2 週を使って,「ポートフォリオ」の制作にもチャレンジします.理論と実践の両面から,論理的思考力を高めるとともに,ソフトウェアが動作する仕組みの理解を目指します.


CG制作の基礎(2年次・前期)

CG制作の基礎

本授業では,CGを制作するに当たって利用する基礎技法を説明し,論理的な思考をもとにした作品制作の演習を通じてCG基礎理論の理解とそれらの技法を習得することを目的としています.

2次元コンピュータグラフィックスの基本であるデジタル画像,ペイント系システム,ドロー系システム,線や曲線の描画方法,3次元形状モデリング,3次元形状のレンダリング,マテリアルとマッピングによる質感表現,カメラワーク,ライティング手法,プロシージャル・プログラミング.

このような項目を学ぶことにより,アニメーション,ゲーム,メディアアート,Webコンテンツ,デジタル教科書などデジタルコンテンツのためのCG制作の基礎理論とそのプログラミング,CG作品制作方法を習得することを目標とします.


メディア専門演習I・II「ビジュアルコミュニケーション」(2年次後期・3年次前期)

メディア専門演習I・II

本授業では,私は「ビジュアルコミュニケーション」に関する演習を担当します.

情報環境が生活に変化をもらたしている今日,メディアを自由に横断するクリエーション能力が求められています.
このような能力は,変化する現実の中からシンボリックな本質や普遍性を見出し,自身の表現力でそれをビジュアルとして提示することのできる基礎力の上に成り立ちます.

本授業では,ビジュアルコミュニケーションのための技術と理論,およびその価値を学びながら,その可能性と多様性を探求し,制作実習を行います.


先端メディア学・ゼミナール「先端 Procedural Animation」(1年次後期~3年次前期)

本授業では,CG映像のなかでも「ビジュアルエフェクト(VFX)」分野で用いられる様々なシミュレーション手法を,各種 CG ソフトウェア(3ds Max,Maya,Houdhini,RealFlowなど)を使用しながら学びます.

パーティクルベース,およびグリッドベースの流体シミュレーション,Fur や Cloth のシミュレーションなどにおいて,具体的なアルゴリズムを理論的に学ぶと同時に,実際の CG ソフトウェアではどのように実装されいるのか,どのような表現の違いと可能性があるのかなどを,論文輪講と作品制作を通して理解・体験していきます.


創成課題(3年次・後期)

創成課題

創成課題では,所属する卒業研究プロジェクトで指導教員の指導のもとに,研究課題を明らかにするための文献調査,卒業研究に必要な準備学習,およびそれらの成果発表を行います.

私の研究室では,卒業研究配属が決まった段階で個別面談を繰り返しながら卒業研究テーマを決定し,そのテーマに取り組むための準備学習(理論の学習,文献調査,および実装スキルの向上)を進めます.

準備学習の成果は,研究室内で発表会を行い,全員で合評していきます.


プロジェクト演習III・IV・V・VI:「Procedural Animation」(2年次前後期・3年次前後期)

本演習では,CG映像のなかでも「ビジュアルエフェクト(VFX)」分野に焦点を当て,近年世界中のプロダクションから注目を集めている「Houdini」を使用したノードベース,かつPythonによるプログラマブルカスタマイズによって映像を制作するプロシージャル(Procedural:手続き型)な映像制作手法を習得することを目標としています.

VFX映像制作に必要な各種シミュレーションとワークフローに関して,1人1台のPCを使用して学習していく「ハンズオン」形式で演習を進めます.

演習の後半では,各自の作品テーマを決定して「課題作品制作」を行い,個人でVFX映像を完成させる制作体験を行います.これにより,VFXに特化した得意分野を身につける(エキスパート)と同時に,CG映像制作に関する「ジェネラリスト」になることを目指します.



What's New

  • 【学内・メディア学部1年生・2年生向け】2024年度後期「先端メディア学・ゼミナール:先端 Procedural Animation」の説明会情報を公開しました.詳細は「授業に関して」ページから,先端メディア学・ゼミナールのページをご覧ください.
  • 菊池研究室2015年度卒業生・宮脇巧真君の卒業研究作品「Crossing Tokyo」が,「第20回文化庁メディア芸術祭」において「審査委員会推薦作品・エンターテインメント部門」に選出されました.詳細はこちらをご覧ください.
  • 論文「セマンティックスコア法による映画予告編映像制作手法」が,芸術科学会論文誌 Vol.15,No.4 に採録されました.詳細はこちらをご覧ください.
  • 菊池研究室からの研究論文が平成27年芸術科学会最優秀論文賞を受賞しました.詳細はこちらをご覧ください.
  • 論文「水中砂塵のプロシージャルアニメーション」が,芸術科学会論文誌 Vol.15,No.2 に採録されました.論文はこちらからご覧いただけます.
  • 論文「ミニチュア映像におけるミニチュア感要素の抽出と観察者の感性との相関に関する研究」が,芸術科学会論文誌 Vol.15,No.1 に採録されました.論文はこちらからご覧いただけます.

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